大森豊さん
森と地域の調和を考える会 会員
美和木材協同組合常務理事
―大森さんは木の駅プロジェクトに熱心に取り組んでいらっしゃいますが、最初に「木の駅プロジェクト」のお話を聞いた時の印象
はどうでしたか?
大森さん:いいことだとは分かっていたんですけど、そんなに上手くはいかねーだろっていう感じはあったんですよ。だいたい間伐
をしてくれる人がそんなにいるのかと思っていたし、自分でやってくれそうな人を数えてみても、そんなにいなかったん
ですよ。だから、社長そんなこと言ったって、参加する人いないですよ、という考え方を最初は持っていたんです。でも
私たちも不安だったんだけど、いざふたを開けてみると、結構参加者がいて上手く動き出したんですよ。そこはやっぱ、
龍崎社長のリーダシップのおかげだったんだと思うんですよ。
▶第一回目の木の駅プロジェクト時の写真です。
―では、木の駅プロジェクトや森林教室などの取り組みで大切にしていることはありますか?
大森さん:ここは昔から森林率83%の山ばかりだったんで、林業の村ですよね。でも子供たちも間伐体験とかやったことがないんだ
よね。昔ならば、農業や林業のお手伝いを子供のうちからしたんですけど、今はそういう手伝いをさせない。だから、農
業も林業も分からない。実際に木を触ったことがない、木を切ったことがないという子供が多いので、子供たちに地域の
産業である林業、また環境の面からも木が大事なんだよということを教えたいということがあって、そして定年前は県庁
で林業関係をやっていたんで、今までお世話になった山に恩返しをしたいという気持ちがあって木の駅プロジェクト、森
林教室に熱心に取り組んでいます。
―これらの活動によって地域で何か変わったことはありますか?
大森さん:先生や子供たちが喜んでくれて、林業について理解をしてくれるようになったことですね。
▶小学生の森林教室時の写真です。
―過疎地域の地域活性化のための取り組みについてどう思いますか?
大森さん:やっぱりその地域に合った取り組みをするのが大事ですよね。あと人材は美和地域にはいるんじゃないかと思うんですよ
ね。60歳定年になって、田舎に帰ってきた人とか、農業をやってる人が結構いますんで、そういった人材を取りまとめて
いくのが一番手っ取り早いかな。
▶インタビュー時の写真です。
―それでは美和地域の魅力は何だと思いますか?
大森さん:魅力はね、温泉地があるわけじゃない、観光地があるわけじゃない、自然があるんだよね。山の資源と、あとは人材です
かね。龍崎社長が動かなかったら、こういった人材も埋もれたまんまでしたけど、森と地域の調和を考える会や木の駅プ
ロジェクトで集まって、みんな適材適所で動いてますから、そういった人材は集めれば結構いますんで、この地域は人材
に恵まれていると思いますよ。
―地域にとって重要なのは人材、この地域は人材に恵まれているという言葉に印象を持ちました。確かに美和地域には適材適所、そ
れぞれの分野において詳しい方がいます。それが地域にとっても貴重なことなのだと思います。