今回、インターンシップにて美和地区に一か月間暮らし、地域をPRするためのHP作成に携わりました東洋大学1年の小澤里奈と申します。私がこのインターンシップに参加することとなった理由は、まずエポックの若松さんが大学の授業にインターンシップの企画を説明しに来てくださった所から始まります。その授業では「フラガール」という映画を見ていました。フラガールは、松雪泰子演じるフラダンサーが都会から、田舎の炭鉱に行き、その町の娘たちにフラダンスを教えるという、常磐ハワイアンズの方の実話に基づく映画です。その中で、外部者である松雪泰子が地域の人たちとぶつかりながらも最後は互いに理解しあい、晴れてハワイアンズ開園となるのですが、この映画を見て、外部者としての地域に入ってからの役目って何だろうと思っていました。ちょうどそんな頃に、このインターンシップの話を聞いて、将来、地元に戻って地域貢献したいと考えていたこともあって、参加することを決意しました。それに、大学に入ってから、何もしてなくて、燻っていたんですよ。何か完全燃焼したいって。様々な企業があった中で、龍崎工務店さんを選ばしていただいたのは、インターン生募集ページに「過疎地域の活性化に興味がある人」「住民の方にインタビューをする」という風に書いてありまして、私は、ぜひ地域の方々に外部者として関わりたいという気持ちを持っていたからです。あの、すみません。メニュー欄に「ひとこと」とか書きましたが、全然ひとことじゃありません。社長から1ページ頂いたので、この機に乗じて、私の思いのたけを洗い浚い、好き勝手に書かせてもらおうと思います。
初めてこの地域を訪れたとき、車に乗っていてまだ山に入るんだ、まだ山に入るんだと正直びっくりしました。でも、美和に着いたときに思ったのは、自然豊かで静かで、いい雰囲気の場所だなというものでした。社長が怖気づいたんじゃないかとか言っていましたが、それはなかったですね。最初からやる気でしたから。でも、いざインターンシップが始まり、社長や色々な人に寂しくないかと聞かれて、寂しくないですとか言ったんですけど、実はウソです。何度テレビのない静かな宿舎で、大声で歌を歌って寂しさを紛らわそうとしたか。それに唯一頼りだと思っていたセブンが改装のために閉店したときはどん底に叩き落されましたね。悪運が働いているとしか思わなかったもん。生きていけるのかと思いました。でも、実は、初めから寂しさよりも楽しさの方が大きかったです。それは、龍崎工務店さんの社内の雰囲気が良く、居心地が良かったからです。社員の方が個性的で面白い人たちばかりなので、喋ったり、喋っているのを聞いていたりするのが、すごく楽しくて、毎日会社に行くのを楽しみにしていました。
その後、活動が本格的に始まり出して、まずつまずいたのは、インターンシップのメイン企画でもあるインタビューでした。約20人くらいの方にインタビューさせてもらいましたが、最初の頃は質問して答えてもらったら次の質問といった具合に相手の話に相槌を打ったり、一言返したりする余裕もないぐらいで、間が空くことすら恐れていました。それでもって人見知りであるので、全然知らない人にインタビューするのに、ただただテンパっていました。それから場数を踏んでいくにつれて相手の方がどんな答えかが予想できるようになってきて、こんな風な答えがきたら、そこからどう話を膨らませていくかまで、その場で臨機応変に考えれるようになってきました。活動の中でインタビューはとても勉強になりました。多くの方の考えを聞くことができ、それによって今自分が森と地域の調和を考える会の主催側と参加者、住民のちょうど中心地点にいること、そして、その3者の足並みを揃える手立てとなるようなHPにしようと自覚しました。また、私の立場から意見を載せること、これらが外部者としての私の役目だと思いました。
HP作成に入ってからは、ただHPを作るのではダメだという気持ちを持っていました。私は、活動に直接参加したこともないし、この地域に来て一か月すら経っていない状況で、どう美和のことを伝えるか。森と地域の調和を考える会の活動を実際にやった人たちが一番大変であったはずですから、何もやっていない私ができることは、一つ一つのページを気持ちを込めて、その時のことを想像しながら作成することだと思いました。そのため、HP作成には外から来た私の感覚を大切にしつつ、地域の3者の意見を入れることを最重要課題として取り組みました。
今、活動を終えて、率直にすごく楽しかったです。やはり、この地域の一番の宝は、人です。みなさん温かくて、地域愛のある人ばかりですもの。活動の主催側の人たちは、毎回毎回どうやったらこの地域を元気にできるか考えて、参加者や住民の方たちはその活動に共感して協力してくれて、うまく回っているのだと思います。みなさん地域のためならと笑って汗水流してくれるんです。誰かのためになるならと、喜んで自分が恩恵を受けなくてもやってくれるんです。私は、森と地域の調和を考える会のほとんどの活動に、残念ながら立ち会えていないのですが、写真を見ていると、おじいちゃん、おばあちゃんたちが「何かの役に立つのが嬉しくてね」と言って活動している姿が想像できてなぜか涙が出そうになってしまうんです。地域の方々が頑張っている姿にすごく心打たれてしまうんです。地域活性化に必要なのは、その地域にある資源を上手く活用することと、何よりも地域の人々と共に歩んでいくことだと思います。その点、美和地域は活動を主催する人々も住民の方たちなので、地域の人の共感や協力を得やすかったのではないかと思います。
そして、美和地域で強く感じたのは人の温かさです。つい一か月前まで全く知らなかった人々に出会えて、お世話になるからこそ、人の温かさというものを強く感じます。このことは、当たり前のことかもしれませんが、こういう時に改めて感じ、学ぶことなのかもしれません。食べ物をくれたり、家に上がらせてもらってお話をしたり、挨拶だけでも、話をするだけでもなんだか嬉しくて、どんどん美和の人々が好きになっていきました。今回、私が関わった方々は、みなさん、よそよそしさとか全くないんですよ。温かい、優しい雰囲気をとても感じました。この経験から、まずは自分が温かい人間になりたい、何かのために誰かのために一生懸命になりたい、一番大切なのは人だということを思い続けたいということを学び、これからの人生に生かしていきたいと思いました。なんだか小学校の学級目標みたいな、当たり前のことかもしれませんが、私はそれでいいと思っています。だって、これが、人生で一番大事なことだと思うから。美和では、本当に大切なことを感じさせてもらいました。
でも、実は、もっと皆さんになつきたかったんです。もっと美和のこと知りたいし、皆さんともっと親しくなりたかったんです。でも、人見知りだったんです。だから、
社長!一番初めに言ったこと訂正させて下さい。今度、またインターンシップの機会がありましたら、ぜひ参加させてください。また美和で暮らして地域貢献させて下さい!何でもしますから!本当に今回は皆さんありがとうございました。お世話になりました。何せ19歳の小娘でして、多くの方に迷惑をおかけしたと思います。それでも皆さんに良くしてもらって幸せでした。皆さんの協力によってHPを完成させることが出来ました。すごく楽しかったです。こんなに温かい地域があって、こんなに温かい人たちがいたということを絶対に忘れません。そして、この地域の一員として一か月過ごせて、多くを学べたことを幸せに思います。龍崎工務店の皆様、美和地区の皆様、そして茨城県県北振興課の皆様、一か月間、本当にありがとうございました。
平成27年3月20日 小澤里奈